無限採掘を作るまで — 10×10マスの採掘ゲームの設計記録
移動しない採掘ゲームを、何度も触りたくなる形にするために。盤面・お宝・強化・ランキング・Web公開の順に、実装した仕組みと考え方をまとめます。
掲載:2026年10月
『無限採掘 / INFINITE DIG』は、キャラクターを動かすのではなく、地面そのものを直接クリックする2D採掘ゲームです。見た目のルールは単純ですが、掘る操作だけだとすぐに単調になります。そこで、「地面を壊す」「お宝が見つかる」「売って強化する」「もう少し下へ進む」という短い循環を中心に組み立てました。
最初に決めたのは、10×10の固定盤面
探索型のゲームならキャラクターを移動させる選択肢もありますが、この作品では移動操作をなくし、クリックやタップの対象を地面だけに絞りました。盤面を10列×10行とすることで、どこを掘ったか、どこにお宝が埋まっていそうかを一画面で確認できる構成です。
採掘するマスには深さに応じた硬さがあり、すぐに壊せない場所でもひび割れなどで変化が分かるようにしています。上部には現在深度・最大深度・所持金を置き、左側にツール、右側に強化や図鑑を集めました。数字を見る時間を減らし、地面を触る時間を増やしたいという考え方です。

100種類のお宝は、見た目だけでなく形も変える
見つけるものを増やすとき、アイコンの種類だけを変えても作業の感触が似てしまいます。そこで、お宝には1マス、横2マス、横3マス、L字3マス、正方形4マスという複数の大きさ・形を用意しました。掘り進める途中で何かの一部が見えたとき、「残りはどちら側だろう」と少し考える余地を残すためです。
図鑑は全100種類を一覧表示できるようにし、初めて手に入れたものが増えていくことも目標にしました。さらに深度の自己ベストとは別に、未発見のお宝を埋めたいという目的が生まれます。

強化と特殊ツールで、掘るテンポを変える
通常のツルハシは、ゲーム開始からずっと使う基本操作です。一方、ハンマーやドリルなどの特殊ツールでは、掘れる範囲や形を変えられるようにしました。深くなるほど硬くなる地層に対し、強化や道具の使い方を変えることでテンポが変化します。
ツール宝箱はゲーム内で稼いだお金を使う仕組みです。Windows・Androidの買い切り版では、強力なバズーカが非常に低い確率で当たるボーナス抽選も用意しています。無料Web版では将来のリワード広告での入手を検討していますが、現時点で広告配信は始めていません。
名前がなくても参加できるランキング
一人で最大深度を更新するだけでも遊べますが、掘った結果を比較する場所としてオンラインTOP100ランキングを追加しました。Web版では名前の入力を必須にせず、ゲストでも記録を送れるようにしています。名前を決める前でも試しやすくするためです。
ランキングの記録はCloudflare WorkersとD1を使い、各プラットフォームから共通のランキングを参照します。ただし、ランキングに載る深度と、各端末で使う所持金・ツールなどのセーブは別管理です。ブラウザの保存データを削除した際に、ゲームの進行まで自動復元されるものではありません。

Web版公開では、ファイルサイズにも対応
UnityのWebGLビルドは、ゲーム画面のHTMLだけでなく大きな実行データが必要です。Cloudflare Pagesの単一ファイルサイズ制限に収めるため、圧縮済みゲームデータを複数のファイルに分割し、起動時にブラウザ内で結合する方式を採用しました。ゲームの中身を削るのではなく、配信するファイルの分け方を変えた対応です。
この方式でも初回に読み込む総データ量は減らないため、通信速度や端末のメモリによっては起動に時間がかかる場合があります。Windows・Android版はitch.ioで配布し、ブラウザ版は自サイトで試せるようにしています。
現在の公開版と、まだ実装していないこと
現在公開しているWeb版はv1.3です。10×10の採掘、100種類の図鑑、ツール強化、ゲストランキング、無料ブラウザプレイを備えています。一方、広告視聴によるバズーカ獲得は未提供です。また、追加リージョンの構想はありますが、現在の公開版には含まれていません。
今後の機能を先に約束するより、まず既存の遊びと公開版を安定して届けることを優先しています。実際の内容や操作を確認したい場合は、遊び方ガイドも参照してください。